本人向け・管理職向け・人事向けで異なる男性育休研修の設計方法
- HUGME代表 高橋

- 2 日前
- 読了時間: 9分
本人向け・管理職向け・人事向けで異なる男性育休研修の設計方法
男性育休研修は「対象者ごと」に設計しないと効果が出ません。
本人・管理職・人事では、抱える不安も知りたいことも違うからです。
「うちも男性育休を進めたいけど、まず誰に何を研修すればいいの?」
「本人と上司、同じ内容でいいのかな…」
「人事だけが頑張っても現場が動かないのはなぜ?」
こうした疑問を持つのは、当然のことです。
制度を作っても、取得が進まない会社は少なくありません。
原因の多くは「研修の中身が全員一律」だから。
この記事では、男性育休研修を「本人向け・管理職向け・人事向け」の3つに分け、それぞれ何を伝えるべきかを解説します。
読み終える頃には、自社でどう設計すればいいかの判断軸が持てるはずです。
【この記事のポイント】
男性育休研修は対象者別に設計する。 本人・管理職・人事で必要な内容がまったく異なります。
本人向けは「決断と準備」、管理職向けは「送り出す技術」、人事向けは「仕組み化」が軸。 一律研修では現場が動きません。
取得率は制度より「上司の一言」で変わる。 管理職研修を外すと形骸化しやすい点に注意が必要です。
この記事の結論
男性育休研修は「本人向け」「管理職向け」「人事向け」の3種類に分けて設計する
本人向けは、取得の不安解消・業務引き継ぎ・復帰後のキャリアが中心
管理職向けは、部下への声かけ・業務再配分・評価への配慮が中心
人事向けは、制度設計・社内周知・取得率の見える化が中心
3者をつなぐ「共通言語」を作ることが、取得率向上の近道
迷ったら、まず管理職向けから着手すると効果が出やすい
対象者別に見る男性育休研修の中身
同じ「男性育休研修」でも、聞く人が誰かで設計は変わります。
ここでは3つの対象者ごとに、何を伝えるべきかを整理します。
本人向け研修:不安を「準備」に変える
本人が最初にぶつかるのは、制度の知識不足ではありません。
「収入は大丈夫か」「同僚に迷惑をかけないか」という感情の壁です。
実際、ある製造業の30代男性はこう言いました。
「取りたい気持ちはあった。でも、言い出す一言が重かった」。
このリアルな溜息こそ、本人向け研修が向き合うべきものです。
だから本人向けでは、制度説明を最小限にします。
代わりに、取得までのタイムライン、業務の棚卸し、引き継ぎメモの作り方を扱う。
「何を、いつ、誰に渡すか」を具体化するだけで、不安はぐっと減ります。
復帰後のキャリアへの配慮も欠かせません。
「休むと出世に響くのでは」という潜在的な不安に、正直に触れる。
ここを避けると、研修が"きれいごと"に見えてしまいます。
もう一つ、本人向けで意外と効くのが「短期取得」という選択肢の提示です。
いきなり半年ではなく、まず5日から、2週間から、と刻んでいい。
「全部か、ゼロか」で考えていた人ほど、この一言で肩の力が抜けます。
実際、あるIT企業の20代男性は「1年取らないと意味がないと思っていた」と話しました。
2週間でもいいと知った瞬間、「それなら取れます」と表情が変わった。
選択肢の幅を見せることも、立派な研修の役割です。
管理職向け研修:送り出す側の技術を磨く
正直なところ、取得率を左右するのは制度より「上司の一言」です。
「おめでとう、しっかり休んでこい」が言えるかどうか。
ここが最大の分岐点になります。
厚生労働省の調査でも、男性が育休を取らない理由の上位に「職場の雰囲気」が挙がっています。
その雰囲気を作るのは、他でもない管理職です。
管理職向け研修では、まず声かけの型を学びます。
「取っていいよ」ではなく「いつ頃取る予定?一緒に段取りしよう」。
この違いが、部下の心理的ハードルを大きく下げます。
次に、業務の再配分です。
一人抜けた分をどう回すか、チームでどう補うか。
ここを設計できない上司ほど、無意識に取得を渋る傾向があります。
評価への配慮も、管理職研修の重要なテーマです。
育休中の期間を「空白」として扱うのか、正当に評価するのか。
ここが曖昧だと、部下は「やっぱり不利になる」と感じ取ります。
よくあるのが、悪気なく「戻ってきたら頑張ってね」と言ってしまうケース。
本人には「休んだ分を取り返せ」と聞こえることがあります。
言葉の受け取られ方まで含めて、研修で扱う価値があります。
最初は半信半疑だった管理職も、一度送り出すと変わります。
「思ったより回った」という小さな実感が、次の取得を後押しする。
これが現場で起きるリアルな変化です。
ある建設会社の課長は、最初「うちの現場では無理」と言っていました。
それが部下を1か月送り出した後、「業務を見直すいい機会だった」と。
属人化していた仕事が可視化され、チーム全体の底上げにつながったそうです。
本人向けと管理職向けは「同じ日」に分けて実施する
実は、本人と管理職の研修を別日にすると、温度差が生まれやすくなります。
本人が前向きになっても、上司が旧来のままだと噛み合わないからです。
そこでおすすめなのが、同じ日に時間を分けて実施する形です。
午前に管理職、午後に本人、といった設計にする。
同じ言葉・同じ資料を共有すると、その後の会話が驚くほどスムーズになります。
正直なところ、ここを分断したまま進めて失敗する会社は多いものです。
「本人はやる気なのに上司が…」という愚痴が出たら、設計を見直すサインです。
人事向け研修と3者連携の設計
本人と管理職が動いても、仕組みがなければ続きません。
ここでは人事の役割と、3者をつなぐ設計を解説します。
人事向け研修:制度を「動く仕組み」にする
人事向けの軸は、制度設計と社内周知、そして見える化です。
制度は作った瞬間がゴールではなく、スタートにすぎません。
よくある失敗が、制度を整えて満足してしまうケース。
社内ポータルに規程を載せただけで「周知した」と思い込む。
これでは、現場の誰も気づきません。
人事研修では、取得率の見える化を扱います。
部署ごとの取得状況を可視化し、遅れている部署に伴走する。
数字が見えると、管理職の意識も自然と変わります。
ケースによりますが、取得事例のインタビュー発信も有効です。
「あの先輩も取ったんだ」という空気が、次の一人を動かす。
制度より、身近な事例のほうが人を動かすことは多いものです。
もう一点、人事が担うべきなのが「取得後のフォロー設計」です。
研修は取得前だけで終わりがちですが、復帰後こそケアが要ります。
時短の相談窓口や、復帰面談の枠をあらかじめ用意しておく。
2022年の育児・介護休業法改正で、企業には制度周知と取得意向の確認が義務づけられました。
つまり「知らなかった」では済まされない時代に入っています。
人事研修では、この法改正の背景まで押さえておくと現場の説得力が増します。
3者をつなぐ「共通言語」をつくる
対象者別に研修を分けると、今度は分断のリスクが生まれます。
本人・管理職・人事が別々の言葉で話すと、連携が崩れます。
そこで大切なのが、共通言語の設計です。
たとえば「引き継ぎシート」を全社共通のフォーマットにする。
本人が書き、上司が確認し、人事が保管する。
一枚の紙が、3者をつなぐ橋になります。
HUGMEでは、脳傾向診断(PA・MIP)を軸に組織開発を行っています。
一人ひとりの脳の傾向を可視化することで、「なぜ言い出しにくいのか」「なぜ送り出せないのか」を、感情論でなく傾向として捉え直せます。
まず着手するなら「管理職向け」から
3つ全部を同時に始める必要はありません。
迷ったら、管理職向けから着手するのが現実的です。
理由はシンプルで、効果が最も見えやすいから。
上司の言動が変わると、翌週から現場の空気が変わります。
本人研修だけ先に走らせても、上司が渋れば元に戻ってしまう。
もちろん、業種や規模によって最適な順番は変わります。
少人数の会社なら、人事と管理職を兼ねる設計もあり得ます。
ここは自社の状況に合わせて調整してください。
よくある質問
Q1. 男性育休研修は何種類に分けるべきですか?
A1. 基本は「本人向け」「管理職向け」「人事向け」の3種類です。
対象者で不安も知りたいことも違うため、一律研修では効果が出にくくなります。
規模が小さい場合は2種類に統合する設計もあります。
Q2. どの研修から始めるのが効果的ですか?
A2. 迷ったら管理職向けからが現実的です。
上司の声かけ一つで取得率が変わるため、効果が最も早く見えます。
本人研修だけ先行させると、現場で元に戻りやすい点に注意が必要です。
Q3. 本人向け研修では何を扱いますか?
A3. 制度説明は最小限にし、取得までの準備を中心に扱います。
業務の棚卸し、引き継ぎメモの作り方、復帰後のキャリアへの配慮が柱です。
「何をいつ誰に渡すか」を具体化すると不安が減ります。
Q4. 管理職向け研修のゴールは何ですか?
A4. 部下を気持ちよく送り出せる状態になることです。
声かけの型、業務の再配分、評価への配慮の3点を学びます。
「取っていいよ」から「一緒に段取りしよう」への変化が目標です。
Q5. 人事向け研修では何が重要ですか?
A5. 制度設計だけでなく、周知と取得率の見える化が重要です。
規程を載せただけで満足する失敗が最も多く見られます。
部署別の取得状況を可視化すると、現場の意識が変わります。
Q6. 研修だけで取得率は上がりますか?
A6. 研修は必要条件ですが、それだけでは不十分です。
3者をつなぐ共通言語や、取得事例の発信を組み合わせると効果が高まります。
仕組みと空気づくりの両輪で考えるのが現実的です。
Q7. 自社に合う研修設計はどう決めればいいですか?
A7. 業種・規模・現状の取得率によって最適解は変わります。
まず現状の課題がどこにあるかを整理することから始めます。
判断に迷う場合は、専門家に相談しながら設計するのが安全です。
まとめ
男性育休研修は「本人向け・管理職向け・人事向け」の3種類に分けて設計する
本人は準備、管理職は送り出す技術、人事は仕組み化が軸になる
迷ったら管理職向けから着手し、3者をつなぐ共通言語をつくる
男性育休は、制度を作るだけでは進みません。
対象者ごとに「何に迷っているか」を捉え、そこに合わせて研修を設計することが、取得率を動かす一歩になります。
株式会社HUGMEでは、男性育休研修「HUG・MEN」を提供しています。
脳傾向診断(PA・MIP)に基づき、本人・管理職・人事それぞれの傾向に合わせた組織開発を得意としています。
対応エリアは愛知・岐阜(その他要相談)です。
「うちの場合はどこから手をつければ?」と迷ったら、その状態のままで大丈夫です。
株式会社HUGME(名古屋市中村区名駅)は、脳傾向診断を活かした企業研修で、名古屋・愛知の企業の組織づくりを支援しています。
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