離職防止の第一歩とは?原因を見極める
社員が辞める本当の理由を見誤らないために、企業が確認すべきこと
社員が辞める本当の理由は、退職届に書かれた言葉とは限らない。
多くの企業は「給料」や「一身上の都合」で片づけてしまう。
だが実際の引き金は、日々の人間関係や職場環境にあることが多い。
だから離職防止の第一歩は、辞めた理由を正しく見極めることだ。
「また一人辞めてしまった。なぜだろう」
「面談では不満なんて口にしていなかったのに」
「うちは待遇も悪くないはずなのに、どうして続かないんだ」。
退職者が出るたびに、こんな思いが頭をよぎりますよね。
正直なところ、辞めた本当の理由は、本人ですらうまく言葉にできていないことがあります。
だからこそ表面的な退職理由だけを見て手を打つと、また同じ理由で次の人が辞めていく。
この記事では、辞める理由を見誤らないために企業が確認すべき視点を整理しました。
読み終えるころには、自社の離職対策の「次の一手」が自分で見えてくるはずです。
【この記事のポイント】
① 退職届の「一身上の都合」は本音とは限らない。理由の見極めが対策の起点になる
② 給料よりも「人間関係・上司との関係」が離職の引き金になりやすい
③ 辞める前のサインは面談より日常の小さな変化に出る。見る場所を変えるのが先
この記事の結論
社員が辞める本当の理由は、退職時に語られる建前と食い違うことが多い。
厚生労働省の調査でも、離職理由の上位には人間関係や労働条件が並ぶ。
「給料を上げれば防げる」と決めつけると、対策がずれて離職が再発する。
辞める兆候は、遅刻や口数の減少など日常の小さな変化に表れやすい。
原因を正しく見極めるには、上司の主観だけに頼らない仕組みが役に立つ。
なぜ「辞める本当の理由」を見誤ってしまうのか
離職対策がうまくいかない会社ほど、実は「辞めた理由の読み違い」から始まっています。
原因を取り違えたまま対策を打っても、また同じ場所でつまずくからです。
まずは、なぜ本当の理由が見えにくいのかを整理します。
退職届の理由と本音がずれてしまう理由
退職届に書かれる「一身上の都合」は、多くの場合、本音を包んだ言葉です。
辞める本人からすれば、円満に去りたいし、角を立てたくない。
だから「上司と合わなかった」「評価に納得できなかった」とは、まず書きません。
厚生労働省の雇用動向調査でも、離職理由には労働条件や人間関係が上位に挙がります。
一方で、会社に伝える建前は「家庭の事情」や「キャリアアップ」に寄りがちです。
この本音と建前のズレを知らないまま集計すると、対策の的が外れてしまうのです。
「給料が原因」という思い込みが対策をずらす
よくあるのが「辞めるのは給料が低いからだ」と決めつけてしまうパターンです。
たしかに待遇は大事ですが、それだけで人が残るわけではありません。
以前、ある中小企業の経営者から「賞与を上げたのに離職が止まらない」と相談を受けたことがあります。
話を聞いていくと、原因は金額ではなく「相談できる相手が職場にいない」ことでした。
給料に手をつける前に、まず職場の関係性を見るべきだったわけです。
お金の問題は分かりやすいぶん、つい先に飛びついてしまう。
けれど本当の引き金が別の場所にあると、コストだけかかって効果が出ません。
上司ひとりの主観では原因を捉えきれない
辞める理由の把握を、直属の上司の面談だけに任せている会社は少なくありません。
ところが、辞める側からすると、その上司自身が悩みの原因ということもある。
これでは本音は出てきませんよね。
実は、上司ごとに「人の見方のクセ」があるのも見落としがちな点です。
成果を重視する上司と、過程や気持ちを重視する上司では、部下の変化に気づく場所が違います。
だから一人の主観に頼るほど、原因の一部しか見えないまま判断してしまうのです。
離職防止の第一歩として企業が確認すべきこと
原因の見誤りを防ぐには、見る場所と聞き方、そして仕組みを見直すのが近道です。
ここでは、明日からでも確認できる3つの視点を具体的に紹介します。
辞める前に出る「日常のサイン」を見る
人が辞める決意は、退職を切り出す何か月も前から静かに進んでいます。
そのサインは、かしこまった面談ではなく、日常のふるまいに表れます。
たとえば、以前より口数が減った。
会議で意見を言わなくなった。
遅刻や当日欠勤が少しずつ増えてきた。
こうした小さな変化は、本人が「もう頑張れない」と感じ始めたサインであることが多いのです。
「特に問題児でもなかった人が、ある日突然辞めた」という声をよく聞きます。
でも振り返ると、たいてい兆候はあった。
気づけなかっただけ、というのが正直なところです。
面談で本音を引き出す聞き方に変える
面談で「何か不満はある?」と聞いても、本音はまず返ってきません。
辞める側にとって、正直に答える理由がないからです。
聞き方を「評価する場」から「安心して話せる場」に変えるだけで、出てくる言葉が変わります。
「最近どんなときにやりがいを感じた?」
「逆に、しんどいと感じる場面はどこ?」。
このように具体的な場面を尋ねると、本人も気づいていなかった悩みが言葉になりやすくなります。
ケースによりますが、一度で本音が出ないのはむしろ普通です。
「この人になら話しても大丈夫」と思ってもらえる関係を、日ごろから積み重ねておくことが前提になります。
見極めの精度を上げる仕組みを持つ
日常観察と面談は大切ですが、それだけだと担当者の感覚に左右されます。
そこで役立つのが、人の理解や行動のクセを可視化する仕組みです。
株式会社HUGMEが提供する脳傾向診断(PA・MIP)は、一人ひとりの価値観や動機の傾向を捉えるための仕組みです。
「なんとなく合わなそう」という感覚を、傾向という言葉に置き換えられると、上司による見方のブレを抑えやすくなります。
もちろん診断だけで離職が防げるわけではありません。
ただ、管理職研修やコミュニケーション研修と組み合わせることで、原因を見極める手がかりが増えていきます。
主観に頼りきらない「共通のものさし」を持てるのが、仕組み化の一番の利点です。
よくある質問
離職防止を考え始めた企業から、実際によく寄せられる疑問をまとめました。
Q1. 社員が辞める一番の理由は何ですか?
A1. 一律ではありませんが、給料そのものより人間関係や上司との関係が引き金になるケースが目立ちます。
厚生労働省の雇用動向調査でも、労働条件や人間関係は離職理由の上位に並びます。
「待遇は悪くないのに辞める」場合ほど、関係性を疑ってみる価値があります。
Q2. 退職届の理由をそのまま信じてはいけないのですか?
A2. すべてが嘘というわけではありませんが、本音を包んだ建前であることは多いです。
円満に辞めたい心理から、「一身上の都合」と書かれるのが一般的だからです。
集計するなら、建前と本音がずれる前提で読み解く必要があります。
Q3. 辞める前のサインには、どんなものがありますか?
A3. 口数が減る、意見を言わなくなる、遅刻や欠勤が増える、といった変化がよく見られます。
多くは退職を切り出す数か月前から、静かに始まっています。
面談よりも日常のふるまいのほうが、サインは早く表れます。
Q4. 給料を上げれば離職は防げますか?
A4. 一定の効果はありますが、それだけで止まらないことも多いのが実情です。
賞与を上げても離職が続いた、という相談は珍しくありません。
金額に手をつける前に、まず原因が待遇なのか関係性なのかを見極めるのが先です。
Q5. 面談で本音を引き出すコツはありますか?
A5. 「不満はある?」ではなく、具体的な場面を尋ねるのが効果的です。
「やりがいを感じた瞬間」「しんどいと感じる場面」を聞くと言葉になりやすくなります。
一度で出なくても普通なので、話せる関係を日ごろから育てておくことが前提です。
Q6. 上司の面談だけで原因を把握するのは難しいですか?
A6. 上司自身が悩みの原因である場合もあり、本音が出にくいことがあります。
また、上司ごとに人の見方のクセがあり、気づける変化に偏りが出ます。
一人の主観に頼らず、複数の視点や仕組みで補うと精度が上がります。
Q7. 脳傾向診断や研修は、離職防止にどう役立ちますか?
A7. 価値観や動機の傾向を可視化することで、見極めの主観を減らしやすくなります。
管理職研修やコミュニケーション研修と組み合わせると、原因への気づきが増えます。
診断だけで防げるわけではありませんが、共通のものさしを持つ助けになります。
Q8. 何から始めればいいか分かりません。まず何をすべき?
A8. いきなり大きな制度を作る必要はなく、まず自社の離職理由を整理する段階からで大丈夫です。
「どの部署で、どんな辞め方が多いか」を言葉にするだけでも方向性が見えます。
複数の選択肢を比較しながら、進め方を相談してみるのがおすすめです。
まとめ
社員が辞める本当の理由は退職時の建前と食い違うことが多く、見極めが対策の起点になる。
辞める兆候は面談より日常の小さな変化に表れるため、見る場所を変えることが第一歩。
原因を正しく捉えるには、上司の主観だけに頼らず面談の工夫や仕組みで補うと精度が上がる。
離職防止は「辞めさせない仕組み」を作ることより、まず「なぜ辞めるのか」を正しく知ることから始まります。
自社のどこで、どんな理由で人が辞めているのかを言語化することから取りかかってみてください。
「うちの場合はどこから手をつければ?」と迷ったら、その状態のままで大丈夫です。
株式会社HUGME(名古屋市中村区名駅)は、脳傾向診断を活かした企業研修で、名古屋・愛知の企業の組織づくりを支援しています。
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