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【両立支援】仕事と育児・介護を支える企業の役割と制度整備の進め方

  • 執筆者の写真: HUGME代表 高橋
    HUGME代表 高橋
  • 3月10日
  • 読了時間: 9分

【両立支援】仕事と育児・介護を支える企業の役割と制度整備の進め方

結論として、両立支援とは「従業員が仕事と育児・介護・治療などの生活上の事情を両立しながら、働き続けられるよう企業が制度と職場環境の両面で支援する取り組み」です。法定制度をそろえるだけでは不十分で、「柔軟な働き方」「相談しやすい風土」「管理職の理解」をセットで整えることが、企業の重要な役割になっています。

【この記事のポイント】今日のおさらい:要点3つ

両立支援制度の基本は、「育児・介護・治療などライフイベントを抱える従業員が、離職せずに働き続けられる仕組みをつくること」であり、育児・介護休業や短時間勤務といった法定制度に加えて、柔軟な勤務制度や相談体制まで含めた総合的な取り組みが求められます。

企業の役割は、「制度を整える→運用状況を点検する→職場環境とマネジメントを変える」というステップで両立支援を推進し、結果として人材の定着・生産性向上・企業イメージ向上につなげることです。

行政は、両立支援等助成金やガイドラインを通じて企業を支援しており、中小企業でも「柔軟な働き方制度」「育休取得支援」「介護離職防止」などの取組に対して助成を受けられる仕組みが整っています。

この記事の結論

企業にとっての両立支援とは何か?

結論として、企業にとっての両立支援とは、「優秀な人材が、出産・育児・介護・病気などを理由にキャリアをあきらめずに済むようにする"経営施策"」です。一言で言うと、「やめなくていいようにする仕組みづくり」が企業の役割です。

最も大事なのは、「制度を作ったら終わり」ではなく、「制度が実際に使われているか」「使いやすい雰囲気か」をモニタリングし、働き方や業務の進め方そのものを見直していくことです。例えば、業務の属人化を減らし、タスクの見える化やダブル担当制、在宅勤務やフレックスを組み合わせることで、誰かが急に抜けてもチームでカバーしやすい体制にできます。

企業の両立支援は、法令順守だけでなく「社会的責任」や「人的資本経営」の観点からも重要であり、仕事と家庭の両立に配慮する企業は、採用力・定着率・企業イメージで優位に立てることが、各種調査・事例から示されています。

実務的には、「①自社の現状と課題を見える化する」「②育児・介護・治療など分野別に優先度を決めて制度・運用を整える」「③両立支援等助成金などの公的支援を活用しながら改善を継続する」という流れで進めることが、コストと効果のバランスが良いアプローチになります。

両立支援制度の基本を押さえる:何を整える必要がある?

育児・介護・治療をカバーする「3本柱」をそろえる

結論として、企業の両立支援制度は大きく「育児」「介護」「治療」の3本柱で考えると整理しやすくなります。一言で言うと、「家庭の事情の代表格を、一通りカバーする制度ラインナップを持つ」ことが基本です。

代表的な制度の例は以下の通りです。

育児関連では、育児休業、育児短時間勤務、子の看護休暇、在宅勤務・フレックス、保育費補助などが挙げられます。

介護関連では、介護休業、介護休暇、時間単位の介護休暇、在宅勤務、時差出勤、短時間勤務などがあります。

治療関連では、傷病休暇、長期療養と仕事の両立を可能にする短時間勤務・試し出勤制度、通院のための時間単位有給などが有効です。

これらに加え、「相談窓口」「人事・産業医・外部相談機関との連携」を整えることが、実際の運用を支える土台になります。

企業の両立支援は、なぜ経営課題なのか?

企業が両立支援に取り組むべき理由は、主に3つあります。

1つ目は労働力確保と人材定着です。少子高齢化の中で、育児・介護世代を含めて戦力化することが不可欠です。

2つ目は生産性と業務効率の向上です。両立支援をきっかけに業務の見える化・標準化・IT活用が進み、時間あたり生産性が向上した事例が報告されています。

3つ目は企業イメージ・信頼性の向上です。「仕事と家庭の両立に配慮する企業」は、採用市場や取引先・地域社会からの評価が高まりやすく、CSRや人的資本情報開示の観点からも重要です。

一言で言うと、「両立支援はコストではなく、"投資"として回収できる経営テーマ」です。

まず何から始める?両立支援制度の整備ステップ

初心者がまず押さえるべき点は、「いきなり高度な制度をすべて導入する必要はなく、段階的に進めればよい」ということです。典型的なステップは次の通りです。

まず現状把握として、自社の年齢構成、介護予備軍・育児世代の人数、休職・離職の実態を把握します。次に法定制度の確認と整備として、育児・介護休業法や労働基準法に基づく最低限の制度を点検し、不足があれば整備します。その後、独自制度・柔軟な働き方の導入として、在宅勤務、フレックス、短時間勤務、時間単位有給などを、業務実態に合わせて組み合わせます。続いて周知と利用促進として、就業規則だけでなく、ガイドブックや社内セミナーで、従業員・管理職への周知を徹底します。最後に効果測定と改善として、制度利用者数、離職率、従業員アンケートなどを通じて、継続的に改善します。

一言で言うと、「現状把握→最低限→柔軟性→周知→改善」という5ステップで考えると、無理なく前に進めます。

両立支援制度における企業の役割をどう実行に移す?助成金・ガイドラインの活用法

公的支援を"設計の起点"にする

結論として、中小企業が両立支援を進めるうえで、「両立支援等助成金」を活用することは非常に有効です。一言で言うと、「助成金のコースを見れば、"国が求める両立支援の標準像"が分かる」ため、そのまま社内の設計の参考になります。

両立支援等助成金の主なコースは以下の通りです。

出生時両立支援コースでは、男性育休の取得促進・職場環境整備を支援します。育児休業等支援コースでは、育休取得・職場復帰支援、代替要員の確保などへの助成が受けられます。介護離職防止支援コースでは、介護休業や両立支援制度の導入・利用促進への助成があります。柔軟な働き方選択制度コースでは、在宅勤務・短時間勤務・フレックスなど、複数の制度導入と利用に対して助成が行われます。

助成額の一例として、育児休業等支援コースでは、育休取得時・職場復帰時それぞれに数十万円単位の助成が設定されており、要件を満たせば1事業主あたり複数名分の支給を受けることも可能です。

厚労省・経産省のガイドラインを"設計図"として使う

行政は、両立支援の具体的な進め方をまとめたガイドラインやツール集を提供しています。

厚生労働省「仕事と家庭の両立支援」ページでは、育児・介護・治療の両立支援に関する情報、モデル就業規則、チェックリストなどが公開されています。介護両立支援ツール・ガイドラインとして、経営者向け「仕事と介護の両立支援に関するガイドライン」、介護休業・介護休暇の活用事例、社内ツール例なども整備されています。また企業事例集では、育児・介護・治療の両立支援に取り組む企業の具体例が多数紹介されており、短時間勤務・在宅勤務・フレックスの使い方や、管理職研修の内容などを知ることができます。

一言で言うと、「1から設計する」のではなく、「行政が用意した"ひな型"を自社向けにカスタマイズする」のが効率的です。

会社の役割は"方針を示し、現場を支える"こと

両立支援を実際に機能させるうえで、企業の役割は次の3つに集約できます。

1つ目は方針を打ち出すことです。「仕事と育児・介護・治療の両立支援は会社として取り組む」というメッセージを、経営層から明確に発信します。2つ目は制度と体制を整えることです。就業規則への明文化、社内相談窓口の設置、管理職への研修など、従業員が「実際に使える」状態にします。3つ目は現場を支援し、改善を続けることです。ケースごとの相談に乗りながら、制度の運用状況をモニタリングし、必要に応じて制度・働き方・評価制度を見直します。

一言で言うと、「方針→仕組み→運用」のサイクルを止めないことが、企業に求められる役割です。

よくある質問

Q1. 両立支援とは具体的に何を指しますか?

A1. 結論として、従業員の仕事と育児・介護・治療などの両立を企業が制度と職場環境の両面から支援する取り組み全般を指します。

Q2. 両立支援は大企業だけのテーマですか?

A2. いいえ。中小企業でも、柔軟な働き方や相談体制など、規模に応じた両立支援に取り組むことが求められており、助成金などの支援も用意されています。

Q3. まずどの制度から整えるべきですか?

A3. 結論として、育児・介護休業など法定制度の整備・周知から始め、その後、在宅勤務・フレックス・短時間勤務など柔軟な働き方制度を追加していく流れが現実的です。

Q4. 両立支援等助成金はどのような企業が利用できますか?

A4. 中小企業を中心に、多くの企業が利用可能で、育児休業取得・介護離職防止・柔軟な働き方制度の導入・利用など、要件を満たせばコースごとに助成を受けられます。

Q5. 両立支援の効果はどう測ればよいですか?

A5. 離職率・復職率・制度利用者数、残業時間の推移、従業員満足度やエンゲージメント調査などを組み合わせて確認する方法が一般的です。

Q6. 介護と仕事の両立支援では何が重要ですか?

A6. 早期の情報提供と相談体制、介護休業・介護休暇の柔軟な取得、在宅勤務や時差出勤などを組み合わせた個別の働き方設計が重要です。

Q7. 経営層は両立支援にどう関わるべきですか?

A7. 結論として、「経営方針として両立支援を位置づける」「行動計画やKPIを設定する」「自らメッセージ発信や研修参加を行う」ことで、現場の後押しをする役割があります。

Q8. 仕事と治療の両立支援も"両立支援"に含まれますか?

A8. はい。がん治療や慢性疾患の治療と仕事の両立も重要なテーマであり、短時間勤務・試し出勤・通院のための柔軟な休暇制度などが推奨されています。

まとめ

両立支援とは、仕事と育児・介護・治療などの両立を企業が支援する取り組みであり、法定制度の整備だけでなく、柔軟な働き方・相談体制・マネジメントの変革まで含めた総合的な仕組みづくりが求められます。

企業の役割は、「制度を導入する→運用状況を点検する→職場環境と業務の進め方を改善する」というサイクルを回し続けることで、離職防止・人材定着・生産性向上・企業イメージ向上といった成果につなげることです。

行政のガイドラインや両立支援等助成金を活用しながら、自社の規模・業種・社員構成に合った両立支援のロードマップを描くことが、「多様な働き方を支える企業」として選ばれ続けるための鍵になります。

 
 
 

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